2006年07月07日

好き嫌い

この年になって好き嫌いがあるというのはものすごい恥ずかしいことです。理屈では理解できます。いい大人なんだからね、何でも食べなさい!心の狭いこと言ってどうするの!……てな感じです。

   が!やはり、ありますね。それも決して少ないかも。

例えば納豆には近づきたくありません。特に温かい食べ物(汁物など)に入れたら即刻半径5メートル以内から逃げます。かぼちゃやサツマイモなど甘い野菜には耐えられません。他には豆とか栗のカサカサの繊維質が苦手です。餡子もだめ!羊羹もだめ!いやあ、思い出す限りでも結構ありますね。誰もが「私は好き嫌いがない(少ない)」と豪語しながらもにんじんや牛乳(ストレートのみ)が嫌いという矛盾した側面を持ちます。他人を見ていると自らを映し出す合わせ鏡のように痛感します。もっとおおらかな気分で固定観念を持つことなく受け入れて生きたいのもです。

お客様から「お店のお奨めのコーヒーを下さい!」と問われることがあります。実はこの手の質問が一番困るのですね。嗜好品の常としてコーヒーに関しても好みの幅は広く、一概にお奨めするのが難しい!その人が普段どんなコーヒーを楽しんでいっらしゃるのか?好みの味わいは酸味なのか?苦味なのか?一見して判断はできず、こちらの好みを押し付ける訳にはいきません。そのため、逆にこちらから質問をぶつけ、お好みを確認しながらお奨めをいくつか提示します。
どうやら「酸味が苦手」という方が結構多い様です。でもコーヒー本来には良質な酸味があり、いわゆる質の悪い酸味(酸化、腐敗など)とは全く別物です。単に「酸味」と言い切ってしまうとその真実は見えにくくなります。味覚表現自体が根本的に個人的で曖昧なため、食べ物の好き嫌いは本当に難しい!「酸味には良い酸味と悪い酸味があります!嫌いなのはどれですか?」なんて聞いても訳がわからないですよね。まあ、皆様も一言でコーヒーの酸味が苦手なんて言わず、ぜひ挑戦してみてください。嫌いだと思っていた新しい味わいにも挑戦してみてください。新しい世界が開けるかも知れませんよ。
posted by 焙煎師TIPO at 10:09| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
こんにちは。
酸味の許容範囲ってものすごい個人差がありますよね。
私が特に酸っぱいものが好きなせいか(もちろん酸化した酸味は苦手ですし、嫌いです)、驚かされることが多いです。
北海道では、超深煎りだったり、苦くて口が曲がりそうなものが「酸味がなくておいしい」という方が多いです。
「えっ?!」・・・ショック死しそうでした。
新鮮且つ、ほどよい甘みと酸味はあまり理解されません(;;)。どこでもその傾向はあるとは思いますが・・・
なんでも深煎りの店が流行ってます。解ってもらいけど、慣れ親しんだ味には白旗ですよね・・・
Posted by biei at 2006年07月07日 20:27
こんばんわ。HPの更新ありがとうございました。いつもブログを楽しみにしていますよ。準備は順調ですか?
私もどちらかといえば、深煎り全般というより単調な味わい自体が苦手です。深煎りをモノトーンと表現した人がおりましたが誠に的確な例えですね。口内で酸味と苦味が複雑にせめぎあう様な焙煎ができれば理想ですね。そしてため息つくような絶妙な酸味を味わってみたいものです。
Posted by TIPO at 2006年07月07日 21:59
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