2006年05月22日

ジャケット

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現実と幻想(夢)の微妙な境目をテーマにした映画。何が現実で何が夢なのか?覚めない夢は現実なのか?現実の認識は極めてあいまいです。昔から主観的な現実の崩壊を描いた映画が大好きです。

文学なら、叙述により世界をわずか1行の文章で崩壊させることができます。P.K.ディックの小説が好きな理由です。

映画なら映像で持って観客を巧みにだますことができます。そもそもすべての映画は映像をフィルムに焼き付けた時点、それを視覚で認識して時点で完璧に虚構のはずですが現実と錯覚するリアリティを持ちうるものです。

そんなこんなで現在公開中の映画『ジャケット』はテーマ的には直球ストレートのはずですが、結果は………?2時間を切る短尺の映画なのに、体感時間が長い。演出と脚本の問題でしょうか?

一見して思い出した映画がエイドリアン・ライン監督『ジェイコブズ・ラダー』です。『ジャケット』のジャックが湾岸戦争の後遺症に悩まされているに対してこちらの主人公(演ずるはティム・ロビンス)はベトナム戦争。性懲りもなく世界各地で戦争を繰り返しているアメリカの影の部分です。どちらも生死を彷徨った戦時体験で現実認識が甘くなっています。映画は主人公の目線で描くため、この世界が主人公の実在する世界なのか妄想する世界なのか観客には判断がつきません。暗くグロテスクな描写も似ています。(詳しく書くとネタばれになるのでこの辺で……)

テーマが好きなだけに惜しいところでしたが全体が散漫な映画です。これもこけそう!最近こけそうな映画ばかり観にいっていますね。
posted by 焙煎師TIPO at 09:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画
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