2007年02月28日

自家焙煎になりたかった訳ではない

店主は自家焙煎コーヒー屋になりたかった訳ではありません。

基本的にはコーヒーと音が心地よく漂う空間(店舗)を提供したかった。そこでおいしいコーヒーを提供するための最良の方法が「自家焙煎」でした。鮮度や素材、味わい作りなどの管理を徹底したかったので、焙煎機を導入し、ついでに店内で豆の販売コーナーも併設しました。「自家焙煎」は目標達成のための手段であり、方法論です。目標は「コーヒーがおいしいジャズ喫茶」であり、「ジャズが流れる自家焙煎コーヒー屋」ではありません。誰が見ても自家焙煎コーヒー屋の店主の勝手なカミングアウトは矛盾に満ちています。

以前、脱サラを考えているある人が「私には喫茶店ぐらいしかできないですからね」と漏らしていました。喫茶店「デモ」やろうか、喫茶店「シカ」できないという「デモシカ」思想に、「われ、コーヒー舐めんじゃねぇ!」と馬の後ろに足を縛り付けて京都の市中を引きずり回してやろうか!と真剣に激怒しました。たかがコーヒーですがそれ程奥深い世界に繋がっています。

「おいしさ」はコーヒー屋(そしてもちろん食に関わる全てのショップ)にとって商売の要です。
正確には自分以外の誰かにおいしいと感じていただける店を目指したかったのです。決して自分が確執するおいしさでなく、お客様に判断していただく客観的なものを求めます。「おいしかったよ!」という言葉の為に、お客様に一杯のカップの液体を通じて、嘘偽り無く真剣に対峙していたいのです。

だから店主は自家焙煎になりたかった訳ではないのですが、自家焙煎をやっています。

余談ですが、同業である中川ワニ氏を店に迎えてコーヒー話を聞くと言うのは禁じ手かも知れません。例えば、味自慢のラーメン店が他店オーナーの成功の秘訣を店舗での公開セミナーで発信するようなもの?確かにアイデンティティの危機というか、自己矛盾に近いものがあります。でもこれはこれでフラットに楽しむつもり。なぜなら、愚かな自意識より、純粋に誰かのコーヒーに対する好奇心、人と人と思いから生じる有機的リアクションの方がおししいコーヒーの糧となりうるはずです。そして、なによりご参加いただいたお客様がその場の空気を心地よく感じていただければ店主冥利に尽きる幸せです。そう、漫談会も2回目を迎えましたが、店主自身が一番期待しております。
posted by 焙煎師TIPO at 11:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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