2006年11月23日

ポール・ハギス

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やはりポール・ハギス恐るべし!
クラッシュ』でアカデミー最優秀脚本賞を受賞後、再び『ミリオンダラーベイビー』のクリント・イースドウッドとタグを組んだのが『父親たちの星条旗』。近日公開の『硫黄島からの手紙』と対をなす映画です。“戦争終わって僕らは生まれた〜”という世代ですので、この島で起こった事を全くといってもよい程知りません。その点でも戦争のひとつのシーンを戦っている両サイド(アメリカと日本)から2本の作品で描くことは斬新に感じます。多くの戦争映画は善悪(味方と敵)の二元論であり、一方の視点(基本的には正義であるはずの自国のもの)を貫きます。現時点ではアメリカ篇しか観ていないのですが、この映画では徹底してアメリカの視点を固定し、強迫観念に迫られたかのようにストイックに日本の視点を廃しています。機銃を操る手先とか、暗闇(人物は真っ黒けで当然判読不能)で奇襲をかけ銃剣で刺し殺されるとかしか、具体的主観として画面には登場しません。確かにこの構成によって二部作連続公開が意味をなします。多分『硫黄島からの手紙』で日本人の視点が補完され、両方の映画を通して初めてひとつの事象の多重な側面が浮き上がってくるはずです。このアイディアがイーストウッドによるものなのか、ポール・ハギスによるものなのかは不明ですが、恐るべし!

脚本の構成も相変わらず見事。基本的には戦争というシチュエーションを巡る群像劇です。複数の人物の現在と2つの過去(戦闘シーンとその後)が交錯していきます。やはり、このおっさん性格悪いけど本当に切れ者です!次回作は『カジノロワイヤル』。こちらも期待大!
posted by 焙煎師TIPO at 11:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画
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