ある種の世界には衒学的な人が多く生息しています。例えば、コーヒーやワインといった嗜好品、車、オーディオ、カメラ、ジャズといった趣味の世界など。そして衒学的なのはほぼ男性に限ります。
気になる形容詞“衒学的 pedantic”は辞書によると「知識や学問をひけらかす様」とのこと。なぜなんでしょうね。男は必ず「情報」を語ります。興味のない人にとっては全く無用の長物にしか過ぎない知識をうれしそうにひけらかします。そして衒学的な女性という代物にはかつて出会ったことがありません。そこはJBの唄のように男臭い世界です。
大概知識披露の場は
@マニア同士のDEEPな会話(第三者には全く解読不能)
A女性を口説く時の勘違い知的演出(果たして効果はあるのか?)
のいずれかに限られます。判りやすいといえばその通りですね。
TIPOGRAFIAでは当然コーヒーそしてジャズ、オーディオあたりの情報が氾濫しています。店主は基本的にはうんちく嫌いで、頭では否定しているのですが、他人から見れば、その傾向があることは否定できず、十分に理屈っぽい偏屈粘着質な性向です。一般的には男性は理屈で判断し、女性は感情で判断するとステロタイプに語られますが、果たして本当なのか?直感で生き抜いていく女性と比べれば、男性は理論で武装するしか自己表現できない存在なのかも知れません。
TIPOGRAFAI開業にあたっての店主の抱いたコンセプトは
アク抜きした現代的なジャズ喫茶または女子供のためのジャズ喫茶
でした。イメージの中のかつてのジャズ喫茶はまさしくペダンチックな妄執に満ちた世界。煙もこもこの暗い店内で私語厳禁で不味いコーヒーをすすりながらジャズを大音量で聴くという業の深い空間です。そこからアクを抜き、ジャズおやじ・ジャズマニア以外の若い女性でも楽しめるジャズ喫茶をつくりたかったのです。(「女子供」に蔑視や他意はありません。言葉遊びです)
目指した店は
◎本が読めるくらいに明るい照明
◎大音量でなくさりげなく寄り添う音楽
◎おいしいコーヒー
◎禁煙
◎シンプルな内装と居心地の良い雰囲気
◎うんちく無し
といったものでした。さて、皆様の目の前の現実のTIPOGRAFIAはどう感じられているのでしょうか?ドス黒いはアクは十分に抜けたでしょうか?
2006年11月04日
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