2006年08月29日

ユナイテッド93

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2001年9月11日ユナイテッド93便の当事者の視点から再現した「劇映画」です。
残された関係者の声を取材したり、実際のフッテージを使ったドキュメンタリーではありません。
(ユナイテッド93便の実際の生存者なく)事実は藪の中であり、機内の人間模様と管制塔などの関連機関でのドラマを役者を使ってをリアルに再現したあくまでも“フィクション”です。

最初に問うべきは、なぜこの紛れも無い事実を映画化したのか?

    自己憐憫?

    露悪趣味?
 
    事実の美化?
  
    真実の隠蔽?
    
    自国の屍すらを売り物にする逞しい商業主義?

    単なる監督の歪んだ妄想?

可能性は無限です。5年時を経過しながらも、まだまだ生々しい事実をなぜ瘡蓋を剥がす様に金儲けの手段(商業映画)にして公開するのか?全く理解できません。

純粋に娯楽映画として見れば、ドキュメンタリータッチの生々しい描写が無駄なく、観客を物語に引き込み、退屈はさせません。
手持ちカメラの多用、飛行機の外観(機影の空撮俯瞰映像)など現実にはありえない映画的カットを全て封印した室内劇の選択、無名の俳優中心のスター至上主義の否定(さらにクレジットには“AS HIMSELF”表記が極めて多いことに驚きます)、事実に沿ったリアルタイムでの進行、ハリウッド的ハッピーエンドの否定などなど、劇映画ながら、かなりの足枷でストイックに描写した監督の手腕は評価できます。

でもあくまでも“タッチ”であって所詮は絵空事であり、残された電話の通話記録やフライトレコーダーなどの断片からつなぎ合わされた擬似現実です。

近日公開のオリバー・ストーン『ワールドトレードセンター』など“911”関連の映画が続きます。5年という歳月が傷が癒えるのに果たして長いのか?短いのか?ネタ切れハリウッドの苦し紛れの自虐ネタとならぬことを祈ります。
posted by 焙煎師TIPO at 11:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画
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