2006年07月26日

出逢い

恐らく人生は既に折り返しを越え、最良でもこれまで過ごしてきた時間しか生きれないのは確実です。果たして残りの時間でいったい何本の映画、何冊の本、何枚のCDに出逢うことができるのでしょうか?それは決して多くない数でしょう。一人の人生では、果てしなく存在する無限のプロダクツのほんの一部分しか知ることができません。ある種の強迫観念に近い知識欲を思えば少し悲しい事実です。

友人は毎日、本屋で新刊をチェックしなければ気が済みません。「ええ加減にせえちゅうねん!」と突っ込みながらも、自分自身は毎週必ずレコ屋をチェックしなければ気が済みません。同類です。少しでも間が空くと素晴らしいCDを見逃すかも知れない!と不安になります。実際そんなことはありえません。何か新しいモノ!と単に情報に追われているだけ。でも購入までの過程が楽しいのも事実。一度手に入れると残された楽しみは聴くのみしかありません。それ以前、店を梯子してうろうろと彷徨い、ジャケットや説明文を読み音を想像する、時として視聴しながらブツを漁る時間が楽しいのです。世の常としてハンティングはクッキングに勝ります。

この商売を始めて以来、以前より音楽に費やす時間が格段に増えました。営業中、ほぼ一日中音楽が流れています。サラリーマンの頃、帰宅してからの何時間しか、といっても飯食って、風呂入ってと実際はわずかな時間でした。気が付くと聴いていないディスクが山積みになってました。現在、購入量が同じであっても、この商売はいつでも音楽が聴けます。気に入ったら何度でも繰り返します。思い出した様に古い懐かしいディスクを棚から探し聴くこともできます。

TIPOGRAFIAでは今日もお客様の有無に関係なく、果てしなく音楽が紡がれています。それは店主の趣味はもちろんですが、お客様がふらっと入った喫茶店で流れていた曲に聴き入ってしまう!その時の気持ちや感情が音楽と共鳴し、まわりのことも目の前の湯気をたてたコーヒーのことも忘れ、音と対峙する!そんな瞬間を夢見ているから。この店でそんな出逢いがあれば本当に幸せです。

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わざわざ元町まで行って買ってきてもらった『musique dessinee o1』
神戸名物のレコ屋「ディスク・デシネ」の自主レーベル初のコンピレーションです。4枚目にして、はやレーベル買い必至となりましたが、聴くだけで幸せな至福のディスクです。元町の店舗とWEBで先行発売中。
posted by 焙煎師TIPO at 10:52| Comment(0) | TrackBack(0) | musica
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