映画『ボルベール』です。
女は強い。
女はたくましい。
女はしたたか。
そして女はやさしい。
何とも男性の希薄な映画です。
世界には女しか存在せず、男は書割の風景の一部でしかないようです。全編ほぼ女性ばかりの物語です。唯一の男であるペネロペ・クルスの旦那にいたってはとんでもない末路を迎えます。どんなに足掻いても男は女にはかないません。アルモドバルの視線はどこまでも女性的。『オール・アバウト・マイ・マザー』『トーク・トゥ・ハー』に続く女性三部作だそうです。
ペネロペ・クルスも久々の母国語でイキイキと母なるやさしいビッチを楽しそうに演じています。
ああ、女にはかないません。