2007年06月05日

純愛小説

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篠田節子です。

作品ごとに全く違ったジャンルに挑戦しながらも、決して飽きることなく一気に読ませる力量を持った作家です。ホラーからラブストーリー、社会ネタ、SF、伝奇ものまで一貫性の無い作風が決して手癖に染まることなく、いつも新鮮に提示されます。作家にありがちな得意とする一貫した世界観がありません。代わりにあるとすれば、読者を飽きさせずに読ませるという確固たる技術の一貫性。新作は真っ先に購入し、一度読み始めると止まりません。冒頭の掴みが非常にうまいんですね。いつも先の展開が全く予想できず、ひたすら活字を読み飛ばすしか抵抗の方法はありません。個人的には『ゴイサイタン』『神鳥』『弥勒』などのオドロオドロ系が好きです。そして今回もまた萎えることなく一気読み。日常的な出来事が何かのきっかけで少しずれていく感覚の短編。出来は並みですが、それでも紙の無駄使いのような凡庸な作家を寄せつかない、活字中毒者を満足させる作品です。

篠田節子恐るべし。
posted by 焙煎師TIPO at 12:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 活字中毒