2007年06月03日

GRAZYNA AUGUSCIK

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北欧や東欧のマイナーなジャズヴォーカルを聴いていて、最大の難関は名前です。読めない、覚えられないと記憶回路が拒否反応を示します。英語の綴りとは作法が異なるアルファベットの羅列とアクセント記号が「もうええちゅうねん!だから何と呼んで欲しいねん!」と突っ込みを入れたくなり、ジャケットでしか個別認識できません。例えばこのアルバムなら、「あの青い顔のジャケのやつ」とか。

前後しましたがポーランドのジャズ女性シンガーGRAZYNA AUGUSCIKの『RIVER』です。

決して叫ばず、呟くような澄んだ声と歌詞よりもスキャットに解体して、VOCODERを使って楽器化する女声が気色良い。

既存曲(辛うじてスタンダード?)の変わったチョイスもいけます。まず目を惹くのはブラジルの作曲家VILLA-LOBOSの“ブラジル風バッハBACHIANAS BRASILEIRO No.5”。バロックなアコーディオンをバックにささやかれる声にピリピリ来ます。この曲だけで即買い(もう買ってるちゅうねん)、座布団2枚プレゼント。その他EGBERTO GISMONTI(2曲)にTERRY CALLIER、EUGINE McDANIELS、KENNY GARRETTと全く一貫性の無いようなラインナップですが、点に見えても、実は線として面として根幹で繋がっているアルバムです。

TERRY CALLIERとのデュエット曲の距離感、自作の曲なのにでしゃばらず、さり気なく寄り添うの声がお見事。男女のデュエットには、対等に向かい合い喧嘩のごときデガチンコ勝負もいあれば、ボケと突込みの漫才のような掛け合いもあります。好きなのは『DOMINGO』のGALとCAETANOの様な付かず離れずの絶妙な距離感。決してベタベタしないけど、どこか繋がっていて「絶対こいつらなんか何かあるでぇ。付きあっとるんちゃうけ」と邪推させる様な距離感が一番です。

意外に聴き所満載の2001年傑作アルバムです。アタリ!
posted by 焙煎師TIPO at 11:24| Comment(0) | TrackBack(0) | musica