
純粋に偏見故に避けてきたCHICO SCIENCE & NACAO ZUMBIです。
そもそもジャズからブラジル音楽へ入国した者にとっては、
ブラジル音楽≒ボサノヴァ・サンバ
と単純に考えていました。しかし現実は、巨大な国土と雑種な人種を抱えるブラジルがそんなに単純な一枚板であるはずはなく、音楽ひとつでも多様なジャンルと地域性が築かれています。ルーツ的な古典から、ロック、カントリー、ファンク、ソウル、ラップなどなど何でもありです。その多様性に気が付いた時、再びディープにブラジル音楽に魅せられ、気が付くと底なし沼に入り込んでいきます。自分自身がまさしくそう。
概ね世のジャズファンは
ジャズこそ唯一絶対
という排他的なテーゼに縛られ、ロックやそれに準ずるジャンルを嫌う傾向があります。
ジャズが好きだけど、ブラジル音楽も結構いいな
というなんちゃってブラジル音楽好きにとって、ここで言うブラジル音楽=ボサノヴァ・サンバであり、エレクトリックギターがぎゅわんぎゅわん鳴っている音楽には目もくれません。わわざわざロック的な音楽を聴くならブラジルモノを聴かなくても、60年代、70年代のイギリスもアメリカもあるやん!それもまたしかり。そう、かつての自分です。………が、これが結構ヤバイのですね。このバンドが単純にロックというジャンルに分類される音ではないのですが、偏見ゆえに避けてきたことは事実です。ボサノヴァ・サンバ絶対主義に支配されていました。
ブラジルでNACAO ZUNBIのライブを実際に見てきた方によると、相当やばく凄い、そして乗ってくると観客同士の喧嘩が始まるそうです。“長者町ブルース”のように「♪バンドが始まれば〜、喧嘩も始まる〜」てなもんでしょうか?音楽の持つ側面として煽動性がります。人の持つ暴力的衝動を喚起させる音が存在します。例えば、ARCHIE SHEPP“ATTICA BLUES”をゲットーの群集に向けて大音量で流すと多分、暴徒と化するはずです。
マンギビートだ、北東部だと言われても余りわかっていないのですが、ヤバイ毒のある暴動誘発性物質を含有した音楽です。そしてパンクな血が騒ぎ、そして大好きです。