2007年01月25日

スキャナー・ダークリー

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実写なのかアニメなのかクラクラする質感を持つ映像で潜入捜査官が自分自身を監視するというパラノイアックなP.K.ディックの原作を直球映像化。権力側として監視する自分と監視されるドラッグでヘロヘロの潜入している自分が徐々に混乱して、現実崩壊していきます。舞台となる数年後の未来世界は決して車が空を舞ったり、独裁者が支配している世界でもなく、現在とさほど変わりない街です。そこにいかにもありそうな物質D(新型ドラッグ)とありそうもないスクランブルスーツ(姿をカモフラージュする全身覆面)を対比的なガジェットとして定義し、物語を作ります(これはディックの常套手段)。混乱の末のオチ、ラストに流れる献辞も含めて、ほぼストレートに原作を映画化している故に、ディックの悲しいまでの脅迫概念を理解し共感するか、なんじゃそれは!と無視するかが評価の分かれるところでしょうね。決して嫌いではないけど、決して隣人には薦めないかな?

posted by 焙煎師TIPO at 11:20| Comment(0) | TrackBack(1) | 映画