2006年09月29日

「あ、そう」

ロシアの鬼才アレクサンドル・ソクーロフ監督作品、イッセー尾形が昭和天皇を演ずる映画『太陽』です。

  たしかにすごい映画です。

日本を描いた映画でありながら絶対に日本主導では製作できない異色作です。よく全国公開できたものです。天皇ヒロヒトの太平洋戦争末期から終戦後マッカーサーとの会見までの生活を描きます。史実に沿った物語なのか?全くの虚構なのか?でもそれはどうでも良いことで監督はロシア人ですが、ネイティブが観ても違和感のない描写です。

イッセー尾形の演技が本当に見事!役者は役柄に近づく(なりきる)タイプと役柄を自分に近づけるタイプに分かれますが、彼は明らかに前者で演じたキャラクターを知っていても、素顔のイッセー尾形の顔が曖昧です。ある時は舞台のスタンダップコメディアンの様のように、ある時は苦悩の悲劇俳優の様に演じます。繰り返される「あ、そう」というオフビートな台詞で意図的にリズムを外した対話が交わされます。果たして脚本通りなのか?アドリブなのか?映画終演後は思わず「あ、そう」と身近な人に合いの手を入れそうになります。

アレクサンドル・ソクーロフの『エルミタージュ幻想』は90分ワンカットの化け物のような劇映画でした。長回しも程度ちゅうもんがあるやろ!全くえげつないオヤジです。
posted by 焙煎師TIPO at 12:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画