2006年06月11日

インサイドマン


  『インサイドマン

微妙な映画です。大手を振ってお奨めはしないのですが、決して悪くはありません。スパイク・リーが娯楽作(エンターティメント)を?という触れ込みでしたが、蓋を開けるとやはり“A SPIKE LEE JOINT”な香り一杯です。僚友デンゼル・ワシントン(a.k.a.マルコムX)に音楽はいつものテレンス・ブランチャードと堅い所は押さえています。

全般的に911以降のアメリカのひずんだ空気が一杯です。周囲の同国人を信用できず、全てがアルカイダのテロリストに映る狂った疑心暗鬼な世界。人種差別やマイノリティーなど、混沌とした善悪の彼岸が蔓延しています。確信犯でしょうが、人質を初めとしたあらゆる登場人物が人種見本市のような設定となっています。ユダヤ、アジア、エスパニュール、ブラック、インド……。主人公の黒人ネゴシエイター、人種差別主義者の警官、白人女弁護士などセクトの対比と対立の中物語は静かに進みます。

ストーリー自体はまったりとした流れで基本的にはインサイドマン(銀行内の犯人)とアウトサイドマン(警察側)のコンゲーム(騙し合い)です。先が見えないので緊張感はありますが、少し長く感じます。情報が過多で緊張感が長時間維持しずらいんですね。もう20分切って2時間弱に収めれば絶対評価は上がりますよ。

クライブ・オーウェンはほとんど素顔を見せていないのに存在感は抜群。デンザル・ワシントン、ジョディ・フォスター、ウイレム・デフォー、クリストファー・プラマーと映画好きの期待を裏切らないキャスティングの掛け合いも見所です。

posted by 焙煎師TIPO at 12:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画