2006年06月01日

ET VOUS?

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『男と女』

テレビで久しぶりに観ました。基本的に家では映画は観ません。画面に集中できず、気が付くと絨毯に落ちた髪の毛を拾い始めます。なぜ今、拾わなければならないのかは当人にも不明です。必ず外部から隔絶された暗闇(映画館)へと自分を追い込む必要があります。でも今回は思わず最後まで観てしまいました。本当にいい映画です。もう何度も繰り返して観ているのに、なぜこんなにも夢中にさせるのでしょうね?そして1966年、自分の生まれた年の映画!

フランス語は愛を語る言語です。ささやくようなボワボワとした語感の美しさは類を見ません。映画の中でアヌク・エーメが“ET VOUS?”と囁きます。背筋がゾクゾクと走りました!多分、撮影当時30代前半のはず。今の自分より年下なのにこの色気は何!本当にフランスは大人の国です。アンニュイという言葉がこれ程似合う女優もいないでしょうね。10年以上の時が流れ、ある映画で彼女に出逢いましたが、ほとんど変わっていない美しさでした。ある意味すごいことかも知れません。
ちなみに何を語っていてもドイツ語は演説に、中国語は喧嘩しているように聞こえます。言語が持つ固有の響きは不思議なものです。

映像からカットカットで切り取ったスチルですらため息の出るようなフォトジェニックな絵。どのシーンもおしゃれな雑貨店の絵葉書やポスターで売れます。多分ゴダールと同様、この映像感覚は監督クロード・ルルーシュの天性のものなのでしょう。海岸を犬と散歩する老人、海岸で鳥と戯れる子供たち、モノクロームのベッドシーンなどなど、全てのシーンが愛しい映画です。

サントラまで引っ張り出して聴いていますが、フランシス・レイの音楽はこれもまた見事!ピーエル・バルーの唄といい、フランスとブラジルが音で交わる映画です。昔は聞き流していた“SAMBA SARAVAH”での名前の列挙の歌詞も今ならしっくりきます。

いやあ、久しぶりに堪能しましたよ。未見の方はぜひ挑戦してみてください。
posted by 焙煎師TIPO at 10:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画