
いかにもフランスらしい映画。いやぁ!久しぶりにフラン映画観たな!という感じです。余りにもパーソナルで恋愛至上主義的、そして業が深い!フランスらしいといっても、クシシュトフ・キェシロフスキはポーランド、監督、音楽はボスニア出身など多国籍軍ですが、全体に漂ってくるのはまぎれもなくフランス映画の空気です。たいしたスートリーはなく、生々しいけど淡々とた日常、傍からみればどうでもいいような個人的苦悩に振り回され、そして物語は唐突に終わります。これぞフランス映画ですね!いやあ、大好きですわ!最近この手のフランス映画の公開が減っているので悲しい限りです。
この映画の女の人はみんな怖い!それもかなり怖い!魅力的だけど、妙にギラギラしていて異性としては現実的には相当近寄りがたい存在です。そして演じている女優も皆うますぎます。特に最近は定番化しているエマニュエル・ベアールの素ッピンの生々しさがすごい!この人は年を食ってどんどん自然体になって、生々しいいやらしさ一杯です。
しかし邦題の『美しき運命の傷跡』がよくわからん!なぜこんなに覚えにくい意味不明のタイトルなんでしょうか。なにが美しいのか何が運命なのか?わからん!キェシロフスキの遺稿「天国」「地獄」「煉獄」3部作の「地獄篇」で、原題の“L'enfer ”にこそ意味があります。