2006年03月18日

タコる

「タコ」は名詞です。動詞化すると「タコる」となります。意味わかりますか?てっきり一般的な俗語かと思っていましたが、どうやら社内用語らしいですね。他人に話してもほとんど通じません。同義語では「ボウズ」。たぶん頭スッポンポン(1本も毛がない)から来てるんでしょうが、営業で受注がないことを意味します。なぜ「タコ」かは不明?
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TIPOGRAFIAを開業する前、サラリーマンを15年ばかり続けていました。それもコーヒーともフードとも果てしなく無関係な業界でした。そのうち概ね10年近くが営業職でした。それも担当エリアは変わりましたがずっと同一商品を担当していたので傍から見れば結構のベテランなんでしょうが、当人は最後まで営業嫌いで変わりませんでした。
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営業にいくつかの側面があります。まずは目標。具体的な数値を設けない企業もありますが、何かしら達成すべき目標があり、企業である以上、商品によらず売ることは必要条件です。そして達成するための営業スキル、商品戦略、数があります。営業マンは事前の仕掛けがうまくはまり、結果が出せた時、そして目標が達成された時、最大の喜びを得ます。本当にエンドルフィンのようなホルモンが脳内に分泌されているのではないかと思うほど精神が高揚します。そしてこの瞬間のために日々の努力や工夫を重ねます。
でも同時に存在するのは達成のへのプレッシャーです。目標をはずしたら……、受注がなかったら……と日々胃を締め付けるような重圧があります。物事の二つの側面をどう感じるかが営業の好き嫌い、向き不向きに分けます。
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TIPO自身は何度も指摘されてきたのですが達成への執着が薄い、淡白な性格です。こと営業に関しては、なるようになるという天命に準じたような生き方でした。もちろん根がくそまじめで給料泥棒とならぬようサラリーマンとして最大の努力を努めますが、ベースが貪欲ではなく、ギラギラしていないのです。これは営業マンとしては失格でした。高揚感と抑圧の合間でゆるゆるしてました。10年間続けてもやはり好きにはなりませんでした。
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「タコる」は日々の受注ゼロへのプレシャーをあらわす言葉です。営業職の頃はいつも日々の売上(日商)と目標が付きまとっていました。
独立開業して開店してからも、基本的には同じです。日々今日は独りもお客様が来なかったらどうしようか?という締め付けに耐えています。昼過ぎても誰も来ない日はいつも不安になります。本来、これを書くのはリアル過ぎて、販促目的のストアブログとしては禁じ手です(といいながら書いていますけど…)。昨年、開店すぐの大雪の日は限りなくタコでした。知人が交通機関の乱れのため営業に出れずに夕方に顔を出してくれ、コーヒーを1杯だけ飲んでくれました。概ねタコでした。それ以降、アップダウンはあるもののタコってはいません。本音はそんな毎日です。
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売上ヘのヒリヒリ感は続きます。個人経営は直接的に我が身の生活へ降りかかる重圧ですが、今は続けていくためにこれを結構楽しんでいます。毎日の日常は小さな幸せと多くの苦労に満ちています。時折の小さな幸せは人に至福を与え、継続への力を生みます。もっと喜んでいただける店のためもっとおいしいコーヒーのための苦労は惜しみません。お店をやっていくことはそんな毎日です。
posted by 焙煎師TIPO at 10:22| Comment(0) | TrackBack(0) | お店