2006年03月05日

トロピカリア

お客様の来店の波には緩急があります。悲しいことにほとんどが「緩」なので悲しいのですが……。暇な時間をうまく過ごす術を余り身に着けておらず、動かないことは極めてつらいことです。確かに本がたっぷり読めます。音楽もたっぷり聴けます。最近、読んだ本です。

『トロピカリア ブラジルに沸き起こった革命的音楽の軌跡』です。以前に紹介した『トロピカーリア』とは別本です。これはカエターノ・ヴェローゾ、ジルベルト・ジル、ナラ・レオン、ガル・コスタらの青春の記録ですね。極めて青い!時は60年代末期。そこには成功と挫折があり、出会いと別れがあり、愛と憎しみがあります。基本的には音楽ドキュメンタリーですが、TIPOはこれをガル・コスタの物語として堪能しました。『DOMINGO』に再びはまっている今日この頃としては、まさしくタイムリーな話題。ジャケットのうつむき加減のガルとカエターノの間には何があるのかが下世話に知りたかったのです。
1963年、カエターノとガル(歌手の卵として紹介されました)は出会いました。ガルは彼が好意を抱いていたバレリーナのデデ(後にカエターノと結婚)の親友でもあり、そこから3人の関係が始まりました。デデとガルはお互いにカエターノの惹かれはじめ、暗黙の了解を布きます。それはカエターノが2人のどちらかにキスをしたら、その日、キスをされなかった方が即座にその場から消えるというものでした。照れ屋で優柔不断なカエターノの態度が事態を混乱させました。そしてブラジル軍部のクーデターが勃発した日、ガルが見たのはデデとカエターノが窓越しにキスをする姿だったそうです。いやあ、青春ですね!恋愛と友情の合間に存在する微妙な空気感が堪らない。映画『冒険者』のジョアンナ・シムカスを巡る2人の男たちであり、『明日に向かって撃て』のキャサリン・ロスを巡る2人の男たちの関係です。昔から危ういトライアングルが好きでした。このネタで映画1本撮れますよね!勝手に脚本でも書いてみようかな?あの2人の間に漂う近いような、遠いような空気はこれだったんですね。
しかし変な読み方でですよね。本編(音楽ドキュメンタリー)とは別枠のサブストーリーの行間に夢中になっているなんて……。
posted by 焙煎師TIPO at 09:03| Comment(0) | TrackBack(0) | BRASIL