2006年03月02日

水とコーヒー

昨日は本当によく降りましたね。冷たい3月の雨でした。レイ・ブラッドべりの短編で雨の止まないの星の物語がありました。滞在する人たちが止むこと無いスコールに無慈悲にさらされ、徐々に弱り、少しずつ発狂していく過程の物語でした(かなりうろ覚えです)。閉塞感で締め付ける、きわめて怖い短編でした。でも日本では止まない雨はなく、春のない冬はありません。今朝は寒さは残っているものの、晴れ間の光に春が見えます。
              晴れ
今日はコーヒーと水の話です。ブラジル滞在中日系の農業技術者に聞いた話です。
              晴れ
コーヒーの樹は生きていきために平均して毎日1リットルの水が必要です。そして1本の樹から取れるコーヒーの実は8キロ。そして完熟の実はわずかに1キロしかできません。精製するとそれは200グラムの生豆しか採取することができません。さらにコーヒーは苗木を植え、花を咲かせるまでに2年から3年の時を要します。米や野菜のように植えてもその年には収穫できません。品種によっては隔年収穫のものもあります。なんというわがままな植物なのでしょうか!本当に手がかかる箱入り娘です。この数字からも一粒のコーヒー豆に必要な手間隙がわかります。沖縄の南方ではいわゆるコーヒーベルト地帯(コーヒー産地)に該当し日本でも栽培可能なのですが、栽培しない、流通しない理由はここにあります。1本当たりの手間と収穫力がきわめて悪く、広大な土地と労働力ががないと到底流通させることが困難です。
この事実を知ったときは、このブラジルの大地で多くの人が手間と愛情を込めて生産した豆を一粒たりとも無駄にすることなく、最良の形で焙煎・抽出してカップとして提供したいという目的が生まれました。これがTIPOGRAFIA開業の大きな目的のひとつです。そしてブラジル訪問から約1年後、実際にブラジルコーヒー専門店として開店いたしました。
posted by 焙煎師TIPO at 08:59| Comment(0) | TrackBack(0) | コーヒー